真夏に咲く緋紅タンポポ

 緋紅タンポポ(緋紅蒲公英)はキク科タンポポ属の多年草で、原産地は中国の新疆ウイグル自治区、カザフスタン、キルギスタンなど標高2500メートルから3300メートルの亜高山、高山の草地などに生えるタンポポである。それ故に暑さには弱いのだろうと思っていたが、そんなことはないようだ。真夏の太陽が照りつけ出した6月下旬でも次から次へと開花し続けている。さすがに6月だとは言え、梅雨明け宣言が出されたが、それでも開花し続けている。そして7月になっても開花した。昨年末から開花し始め、実に半年間に亘って開花し続けていることになる。
 日本タンポポなどは春から初夏にかけて気温が高くなる時期や真夏の気温の高い時期には葉を落とし、地中の根で暑さをやり過ごす夏眠が見られるが、緋紅タンポポでも似たようなものだ。しかし、今年は日本タンポポが秋から春の開花シーズンを終えても、緋紅タンポポの開花シーズンがまだ続いている。Webには緋紅タンポポの特徴として春と秋に開花するとするものもある。キク科の菊などは春と秋に開花するとするものは多く見られるが、同じキク科のタンポポ属ではそうではない。タンポポの1年が夏眠から目覚めて始まるために、秋になって新しい芽を出し、葉を広げ、花芽を伸ばし蕾を付けて、それが開花する。そして次の夏眠するまでの間が開花シーズンとなっている。Webに春と秋に開花するとするものがあるのは、秋から春に開花シーズンがある緋紅タンポポがあるということだろう。それはシロバナタンポポにも秋から春に開花シーズンがある鎌倉タンポポが出現していることと同じであろう。開花を抑制する遺伝子が突然変異により機能しなくなるとタンポポの花の開花時期は夏眠する期間を除いた長いシーズンに亘るが、花を付けることで株が疲弊し、次の夏場をやり過ごせなくなり、夏眠したまま永眠(枯死)してしまう。こうした事象は関東タンポポを栽培していて経験した。しかし、鎌倉タンポポや横浜タンポポでは次の夏場をやり過ごせなくなり、夏眠したまま永眠(枯死)してしまう株はそれほど多くはない。緋紅タンポポについても同じようなものだ。ただ、今年のように暑い夏場でも開花する力強さには驚かされている。日本タンポポには見られない特徴である。しかし、間もなく夏眠することは確実であり、開花シーズンも終了することになる。
 緋紅タンポポの綿毛から採取した種子は蒔くと全数が発芽し、次の発芽シーズン、次の春とか次の秋まで休眠することはない。これは日本タンポポとは決定的に異なる点であり、野生の植物としては種の維持には不利ではないかとも思われる。しかし、花の色が黄色とか白色とかとは異なる色の花を付ける訳であり、日本タンポポとは相当に大きな違いが存在しているようにも思われる。

画像
          7月に入っても開花し続ける緋紅タンポポ(7/1)

 七夕を過ぎた7月8日の朝、もう1株の緋紅タンポポが開花し始めている。おそらくは、これがこの開花シーズンの最後の花であろう。

画像
          7月に入っても開花し出した緋紅タンポポ(7/8)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 6

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)

この記事へのコメント

2018年07月01日 18:38
こんばんは。以前も拝読しました。
我が家では四国の亡母が住んでいた敷地を処分し、長年自生していたシロバナタンポポの種子を去年4月に採取東京に持ち帰って鉢に蒔きましたが、6月に発芽し8月以降11月まで連日開花しました。最後は力尽きて枯れましたが今年1月に新芽がでて花をつけ晩春まで楽しませてくれました。実例と花しての生命力の強さ,したたかさをお知らせします。
環境によっては色々事象があるようで、一概に夏眠すると断じないこともアリかと存じます。

この記事へのトラックバック