今年の朝日新聞の桜報道

 朝日新聞デジタルに「だいすきな木をきらないで…姿なき「小4男子」との文通」と題する記事(石田貴子 2017年12月2日 18時32分)が掲載された。

 《ぼくのだいすきな木をきらないでください》

 9月、神戸・六甲山のふもとの桜の木に、手紙が針金でくくりつけられていた。1枚の紙に、青いペンで書かれた文字が並ぶ。

 《なるべく、みきをたくさんのこしてください》

 差出人は「小4男子」とあった。街路樹を管理する市職員の志方功一さん(39)は、幼い文面を読んで思った。「子どもにもわかるように説明しないと」

 その前日。50本ほどの古木が連なる桜並木の一部に、「倒木のおそれがあるため撤去します」と印刷した赤いテープを巻いた。幹の内部が腐っていたからだ。

 志方さんはすぐ返事を書いて、幹に結んだ。漢字にはふりがなをつけた。

 《街路樹(がいろじゅ)を大切(たいせつ)に思(おも)ってくれてありがとう。このサクラは、幹(みき)の半分(はんぶん)以上(いじょう)が傷(いた)んでいて倒(たお)れる危険(きけん)が大(おお)きいことがわかりました》

 幹が折れ、そばを走る車にぶつ…(有料会員限定記事)。

 これ以上は有料会員ではないので、伺い知れない。

 しかし、この街路樹の桜は染井吉野ではないかと思われる。桜には実生(みしょう)の樹とクローンの木がある。実生の樹は種から発芽し、育った樹であり、幹がある。一方、クローンの木は実生の樹の枝を挿し木や接ぎ木したもので幹がなく、枝である。

 4月4日(土)の午後8時からNHK BS3で京都・醍醐寺の庭と思われる場所からの桜中継があった。たまたま10分程度見たが、その時に電話出演していた桜守として著名な佐野藤右衛門さんが、「桜は枝を枯らして大きくなる。染井吉野は桜(原木)の枝なので枯れる。」と述べていた。なるほど、実生(みしょう)の枝垂れ桜は何100年でも生きるが、クローンの染井吉野では40年とかで100年は持たない。実生桜には幹があり、クローン桜は枝であるという目から鱗のことを知って、得心できた。

 問題は、この街路樹の桜が実生桜であるかクローン桜であるかである。染井吉野であればクローン桜であり、桜守の佐野藤右衛門さんが言うように、「桜は枝を枯らして大きくなる。染井吉野は桜(原木)の枝なので枯れる。」ということをしっかりと教える必要がある。
 記事には「50本ほどの古木が連なる桜並木」とあり、戦後に植えられた染井吉野であろう。「このサクラは、幹(みき)の半分(はんぶん)以上(いじょう)が傷(いた)んでいて倒(たお)れる危険(きけん)が大(おお)きいことがわかりました」とあり、クローン桜である染井吉野であれば、もう寿命に達しているということである。
 「小4男子」では漢字に平仮名を付けないと読み切れないかも知れない。しかし、「小4男子」であっても、大人はこの子に桜には実生桜とクローン桜があり、クローン桜には寿命があることを教える必要があるということだ。

 また、こうした古木の木が倒れ、事故でも起きると管理者側の責任が問われることになる。そうしたことも「小4男子」であっても知っておく必要があることも付け加えておく。

 今年の朝日新聞の桜の開花宣言を伝える内容に唖然とした。この記事はあるべき報道の姿を疑わせるものである。

 3月14日14:00に東京での桜の開花宣言が出された。そのことは朝日新聞電子版でも「東京で桜咲く 暖冬で観測史上最速、満開は23日見込み 金山隆之介 2020年3月14日 14時17分」と公開された。しかし、写真は「靖国神社の標本木のソメイヨシノの花=2020年3月13日午後0時4分、東京都千代田区、北村玲奈撮影」と、前日の写真を掲載している。朝日新聞はふざけているのか。金山隆之介なのか北村玲奈なのか、ちゃんと仕事をしていないではないか!

src_65678982.jpg        どこにでもある染井吉野
        
 今年の染井吉野。日本人にとって「桜はパッと咲いてパッと散る」ものであったはずだったが、今年の「桜(染井吉野)はダラゝと咲いてダラゝと散る」の一言に尽きる。

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