BCGは免疫力について考察されている。

 昨日(5/14)の緊急事態宣言の解除発表に伴う安倍総理の会見で、確か朝日新聞の記者が「結核を予防するBCGワクチンの接種が新型コロナウイルスの感染も予防するとの説がある」と質問して耳を疑った。総理の話の後に、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長が答えた。「BCGが有効だというエビデンス(科学的根拠)は今のところございません。」
 これまでに報じられてきたことは、「BCGワクチンの接種が新型コロナウイルスの感染も予防する」ということではなく、「日本などのBCGワクチンの接種を行っている国では新型コロナウイルスの重症者や死亡者が少ない」ということで、BCGワクチンの接種で体内では免疫力が高まっているのではないか?ということである。日本では71歳以上の人はBCGワクチンの接種はなされなかったが、70歳以下の人はBCGワクチンの接種が行われて来ている。国内でも新型コロナウイルスでの死亡者では高齢者は死亡率が高く、死亡者数が多いと報告されている。報告は70代、80代、90代などで分類されて発表されているが、70代以上の感染者は重症化する率が高く、死亡率も高いということだ。しかし、これがBCGワクチンの接種が要因かただ高齢なことが要因なのかは分析はされていない。
 もし、朝日新聞の記者の質問であったとしたら、こうした聞いたこともない説について首相に質問することはいかがなものか?朝日新聞の記者でなくてもこのような説が出ているかどうか不明で根拠がない質問などするべきではない。
 なお、尾身茂副座長が続けて、「それから日米欧との差ですね、これは基本的には私は3つあると思います。一つ目は、やはり日本の医療制度が比較的しっかりして、…。それから2点目は特に、初期ですね。感染が始まった初期に、いわゆるクラスター(感染者集団)対策というのがかなり有効だったと思います。」と述べている。しかし、この2点目は明らかに間違えている。クラスター対策では濃厚接触者を決定したが、その定義は感染者が発症後に接触した人とし、所謂発症後濃厚接触者だけを追った。しかし、発症前濃厚接触者の方が感染する可能性が高いのであるが、それを見過ごして来た。
 濃厚接触者を感染者が発症する2日前からに変更したのは4月22日になってからである(https://dr-kimur.at.webry.info/202004/article_2.html)。この発症前濃厚接触者が感染経路不明の感染者として市中に広がっていった(https://dr-kimur.at.webry.info/202004/article_4.html)ために、4月7日に緊急事態宣言を7都府県に出し、4月16日に緊急事態宣言を全国に拡大した。しかし、4月7日の2週間後になっても、あるいは4月16日の2週間後になっても感染が確認された人の数はそれほどの減少は見られなかった(https://dr-kimur.at.webry.info/202005/article_3.html)。しかし、4月22日の2週間後に当たる5月6日になると明らかな減少傾向が見られるようになった(https://dr-kimur.at.webry.info/202005/article_1.html)が、5月7日に緊急事態宣言の解除がなされずに5月一杯まで延長された。しかし、5月14日になって39県で緊急事態宣言が解除された。すなわち、緊急事態宣言で人と人との接触を8割を目標に減らしても、クラスター対策では発症前濃厚接触者を野放しにしていたのでは結果が出なかったことが明確になった。緊急事態宣言の解除には発症前濃厚接触者を抑えて隔離することがより有効で重要であったことが分かる。またもや厚生労働省の失策である。しかし、濃厚接触者を発症後濃厚接触者から発症前濃厚接触者+発症後濃厚接触者に変更したことを注目している所謂専門家と呼ばれる人たちも、あるいは専門家としてTVに出るコメンテーターも皆無である。こうした重要なことを見落としてしまい、それを問題とせず、感染症の収束を後伸ばし後伸ばしにしてしまう日本国の恐ろしさを感じない訳にはいかない。

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