今さらのクマノザクラ

 今年はクマノザクラに関する報道が多くあり、この時期に開花して見頃を迎えているというニュースと満開となる今頃の時期に植樹が行われたというニュースである。そしてこれらのニュースを飾るのは「100年ぶりの新種 「クマノザクラ」」である。
 クマノザクラは昔から紀伊半島南部に自生する早咲きの桜で、花弁のピンク色が鮮やかであるとされる。ヤマザクラやカスミザクラに似た早咲きのサクラが自生ていたが、地元住民は「早咲きのヤマザクラ」と認識していた。しかし、クマノザクラはこれら2種と開花期が重ならない。これほど際立っていた早咲きの桜が「早咲きのヤマザクラ」と呼ばれていたにも関わらず、何故新種であることが認識できなかったのであろうか?
 和歌山県には和歌山県林業試験場があるというが、最近になって出来た訳でもないのだとしたら、森林総合研究所と和歌山県林業試験場が何故新種の桜と認定されるまでに何故これほど時間が掛かったのであろうか?植物学者のレベルを疑ってしまう。
 なお、クマノザクラは種を蒔いて発芽した実生株で殖やしている。アマゾンなどでも販売されており、5号ポット品では6,000円~8,000円程度であり、桜の苗としては高価なものだ。
 ウィキペディア(Wikipedia)によれば、「「早咲きのヤマザクラ」)が既存の種の突然変異ではなく新種であると判明した。」と記載されているが、既存の種の突然変異では新種にはならないのか?DNAを解析すれば突然変異であればその部分のDNAが異なるのでは?
 では突然変異で新種が生まれるのか?この答は新型コロナウィルスでの変異種の誤用を変異株に統一している日本感染症学会のWeb(https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=221)に詳しい。
 「突然変異はすべての生物において、遺伝子の複製過程で一部読み違えや組み換えが発生し、遺伝情報が一部変化する現象です。
 この中で、新しい性質を持った子孫ができることがあります。この子孫のことを変異“株”と呼称します。変異株は、変化した遺伝情報の影響を受けた一部の性質が変化していますが、もともとの生物の種類は変化していません。この場合、同じウイルスの複製バリエーションにすぎませんので、ウイルスの名称は変化しません。
 しかしながら、極まれに近縁の生物種の間で多くの遺伝子の交換(組み換え)が起きると、2つの生物種の特徴を併せ持った新しい生物種が誕生することがあり、その場合には変異“種”と呼称します。この場合、新型のウイルスが誕生することになるので、新しいウイルスの名前が与えられます。」と解説されている。
 「生物種」とは「このような(異なった)形質は世代を越えて維持される。そのような集団を種という。」(ウィキペディア(Wikipedia)を補足)である。桜の場合では品種に当たるのであろう。桜が枝垂れ易い品種ではその枝垂れる株を選別して実生株を植樹して殖やしている場合がある。しかし、その場合でも「‥桜」と「‥枝垂れ桜」と分けて名前が付いている場合もある。クマノザクラが新種とされるのはもっと大きな違いがあるからであろう。
 たとえば、タンポポではかつては花の色、黄色か白かで分類されて枝分かれして品種があった。しかし、10年前から繁殖させていた秋から春に開花する白花タンポポの種から2年目には発芽した中に1株だけ黄色い黄花が出現した。これは突然変異で発生した変異種で、黄花という異なった形質が世代を越えて維持される新種である。すなわち、白花タンポポでは個体変異や病気でも黄花が出現するが、これは世代を越えては維持されない。1代限りか一開花シーズン程度のものである。秋から春に開花する白花タンポポは「鎌倉タンポポ」、この色変わりの黄花の変異種は「横浜タンポポ」としてこのブログでは数限りなく登場している。こうした経験からは、クマノザクラの新種認定に時間が掛かり過ぎている。植物学者のレベルを疑ってしまいざるを得ない。

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