[書評]「頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」」細川重男著(朝日選書 2021年)

「頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」」細川重男著(朝日選書 2021年)

☆3

「いい加減だが楽しく読める」

本書は2012年に洋泉社より刊行されている。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送開始前に、この類の書物が非常に多くなっているが、いずれもいい加減な内容だ。また、その著者の中には博士も多くいるのであるが、私たちのような工学博士とは違って、新しい情報を集めて分析したり、近世の「新編相模国風土記稿」や現代ではWebなどを使ったりしておらず、何も調べていないのには驚いてしまう。それでも文学博士ばかりであるのであるから他分野の博士から見ると呆れたものだ。

そうした態度であるから、9年前の著作を再刊行できるのであろう。

副題からは本拠地「鎌倉」について詳しく書かれているものかと期待するであろうが、そうしたことはない。『吾妻鑑』にある一行の文を手掛かりにして、源頼朝が鎌倉に入府したとしている。これは他の博士の著作でも同様なのであるが、何故、鎌倉入府とともに、即座に八幡宮を遷座したのかを論じないのでは余程レベルが低いことを示しているだけだ。

「神社の系譜 なぜそこにあるのか」宮元健次著(光文社新書 2006年)をいつまで経っても読んでいないことにはもう言葉もない。

平安時代から鎌倉時代は陰陽師が活躍した時代である。そうしたことを理解できないボンクラだけが博士になっているのか?

本書は『吾妻鑑』に記載されている内容を中心に書かれている。しかし、著者のレベルが低いのであるが、口語訳が面白く、楽しく読める。

なお、本書に関しては2021年12月15日付「源頼朝の浮気話とその浮気相手の大進局が生んだ子に帰依した政子」(https://dr-kimur.at.webry.info/202112/article_69.html)で取り上げている。

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